2月27日(木)

昨日、LINE株式会社の新サービス発表会である「LINE Showcase 2014 Feb.」にて、3つの新サービスが発表されました。

line

更にその前日の2月25日はBloomberg内でソフトバンクがLINEの株式を目指している(元記事:SoftBank Said to Seek Stake in Naver’s Line Messaging Unit)と報じたことからネット界隈はLINEの話題で持ち切りです。

僕自身、プラットフォームビジネスを組み上げ、その上で「人が挑戦したいと思ったことができるようになること」「努力が報われるようになること」「情報の海に溺れないようになる」ことを目標としているため、今回のLINEのサービス発表はとてもわくわくして、1人マクドナルドでにやにやしていました気持ち悪い。

そこまで好きなことなので、TwitterやFacebookで一言ちょろっと添えて関連記事をシェアするだけでなく、自分でも何か書いてやろうと思いました。

そこで、
・今回の3つの新サービス概要をまとめ
・それはどういうトレンド・背景のあるビジネスなのか
・今後このプラットフォームビジネス上で何が実現されるのか

について考え、書いていきたいと思います。

新サービスは
①LINE電話/LINE CALL
②LINE Creators Market
③LINEビジネスコネクト
の3つが発表されました。これらは一体どんなサービスなのでしょうか?

①LINE電話/LINE CALL

【概要】
LINEアプリ上から国内外の携帯電話・固定電話に発信できるIP電話サービスです。

LINEの推しは、

・誰でも簡単:LINEがあれば誰でもすぐに簡単に
・クリアな音声:途切れにくいクリアな音声で
・驚きの料金:国内電話も、国際電話も、携帯へも固定へも驚きの料金で

(LINE Showcase 2014 Feb.スライドより)
にあるらしく、中でも料金は確かに画期的です。

【料金体系】
LINE電話公式サイトでは下記のような比較がなされています。

・スマホ➡ケータイ・スマホ・固定電話(N社、K社、S社)
 ¥42/分 :一般的な通話料金プラン
・LINE電話➡ケータイ・スマホ
 ¥14/分 :コールクレジット
 ¥6.5/分 :30日プラン/固定電話・携帯電話プラン
・LINE電話➡固定電話
 ¥3/分  :コールクレジット
 ¥2/分  :30日プラン/固定電話

・海外➡日本(固定/携帯)
 ¥3/分/¥14/分
・日本➡インド
 ¥2/分/¥2/分
・中国
 ¥2/分/¥2/分
・シンガポール
 ¥2/分/¥2/分
・アメリカ
 ¥2/分/¥2/分
・カナダ
 ¥1/分/¥1/分
・オーストラリア
 ¥2/分/¥9/分
・スペイン
 ¥2/分/¥9/分

※コールクレジット:通話分を事前に購入(LINEプリペイドカード、クレカ、AP内決済、LINEコイン)
※30日プラン:購入後30日間60分を上限として利用できるプラン
※海外通話料金はコールクレジット料金のため、30日プランでより低額に

【操作】
通話は通常の番号入力や電話帳の利用が可能なのに加え、全国650万件を越えるDBに基づいたサジェスト機能も搭載(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1402/26/news112.html

GPSとの連動で近くのレストランや店舗を検索して予約電話をかけることも可能なようです。

着信先には発信元の電話番号が表示されるようですが、ドコモ端末の場合は「通知不能」「非通知」となります。

【キャンペーン】
LINE@(商用LINEアカウント:http://lineat.jp)を始めとする国内130万店舗の病院、レストラン、美容院に対して10分を限度として無料通話が可能。

【楽天のViber、FacebookのWhatsApp買収】
メッセンジャー・無料通話アプリの買収発表が立て続けに行われました。

楽天は2014年2月14日に無料通話・メッセージアプリのViberを、Facebookは2014年2月19日にメッセージアプリWhatsAppの買収を発表しました。

Whats Appについてはその買収規模190億$(現金・Facebook株計)という部分で思考停止してしまっている感がありますが、2014年2月24日Mobile World Congress 2014@スペインにて発表された「2014年2Q〜無料音声通話」込みで買収の意義のはずです。

それぞれ今回のLINE新サービス開始とどう関係してくるのでしょうか?

・Viber
楽天が無料通話・メッセージングアプリを利用するシーンを想定すると、下記のようなものが考えられます。

①楽天でんわ
文字通り楽天ブランドで安く音声通話を提供するというものです。

楽天は買収と同時に、Viber経由での
・固定電話向け通話を無料
・携帯電話向け通話を¥10/分
という計画発表しており、価格競争力のある一サービスとして提供する意図が感じられます。

②EC事業の利便性向上
楽天主力事業の1つEC事業において、ユーザ(商品購入者)と店舗のコミュニケーションツールとして活用できるのではないかと思います。

現状でもSkypeやスマホ等を活用すれば音声によるコミュニケーションは可能ですが、ECサイトページ上のボタン押下で通話が開始できたり、通話使用料での優遇があればコミュニケーションのハードルが下がり、購買行動の最後の一押しにもなるかもしれません。

③流通プラットフォームとしての活用
三木谷社長は買収時に、ゲームなどのコンテンツ提供を皮切りに、ECや金融事業も扱うとおっしゃっています。

Viberの顧客基盤はフィリピンやベトナムにあり、日本や米国、韓国と比較するとコンテンツ消費量は少ないとは言え、2.8億人の顧客基盤に対し直接コンテンツを流通させるのはかなりLINEも意識した線ではないでしょうか。

その上で、「日常的なメッセージング・無料通話を司るプラットフォーム」の上に後発のLINE MALL(2013年末にプレオープン」というECを築くLINEと、「日常的な買い物を司るプラットフォーム」の上に本業と異なる(?)顧客基盤を持つメッセージング・無料通話アプリをかつぐ楽天との戦いが繰り広げるわけです。

こう並べると、何となくのEC事業は単にViberの既存ユーザの一部が流入してくるだけで、顧客基盤をきれいに統合というのは果てしなく遠い道のようです。

一方、LINEは顧客基盤自体は動かさず、流し込むコンテンツ(EC事業)のみ増える形なので、ECの質次第で日常的なコミュニケーションの延長として買い物を取り込んでしまいそうな予感がします。

・WhatsApp
こちらはLINEにとってのLINE電話(とLINE MALL)、楽天にとってのViberとの流れとは若干異なると思います。

Facebookには既にメッセンジャーアプリが入っており、Skypeでのビデオ通話(Skypeアカウント不要)も可能です。

しかもFbメッセンジャーもWhatsAppもそれぞれ独自ブランドで継続するとのFacebookからの発表まであります。

また、WhatsAppユーザはFacebook利用層とそれほど異ならないことも考えられ、WhatsAppの買収=新たな顧客基盤の獲得とも考えにくいですね。

ネットをあさってもイマイチ「これ!」と言える説明はなく、買収は間違いだ…とまで書かれている記事すらあります。

Facebookのプレスリリースには漠然と次のように書かれているだけで不明です。

The acquisition supports Facebook and WhatsApp’s shared mission to bring more connectivity and utility to the world by delivering core internet services efficiently and affordably. The combination will help accelerate growth and user engagement across both companies.

ECに繋げたりするような気配もありません。

もはやFacebookはそのまま泳がせ、単独でユーザの多くなおかつ切迫した連絡手段としてのWhatsAppにプラットフォームの重点を移して行くのではないかくらいの勢いですね。

続いて②!と行きたかったのですが、記事を分けます力尽きました笑

ちなみに今回の新サービス発表の肝は③だと思っているので、今日・明日中の記事更新を期待してください!!