4月8日(火)
「Twitter社がロック画面アプリを提供するCover社を買収」
海外メディアを中心に各紙が伝えています。
・Twitter wants to make Android smarter with Cover acquisition(The Verge)
・Twitter Gets Serious on Android(WSJ)←イチオシ
ロック画面?
と言えば、最近こんなの流行ってますよね。
サエコさんは大好きですが、今回はそういうのとちゃいますからね。
●概要
TwitterがAndroidランチャーアプリのCover買収を発表しました。元Googleの創業者で約1年前にスタートアップで創業と同時に170万ドルほど調達しているようです。サービス公開は約半年前。
このCoverは便利なアプリで、いわゆるAndroidのアプリランチャーなのですが、時間やシチュエーションによってトップに並ぶアプリが変化するんですね。朝の通勤時間には北米は車が多いですからマップが出ていたり、仕事時間はメーラーやお仕事用アプリ群、夜は音楽にビデオなど、時間や位置情報などを使って賢くサジェストしてくれるのが特徴だそうです。
(Twitter、元Googleが創業したランチャーアプリCoverを買収【ピックアップ】)
だそうです。
時間帯や場所によってスマホのロック画面が切り替わるアプリ。
Cover社は自社ブログでこう書いてます。
Twitter, like Cover, believes in the incredible potential of Android. They share our vision that smartphones can be a lot smarter — more useful and more contextual — and together we’re going to make that happen. We’ll be building upon a lot of what makes Cover great, and we’re thrilled to create something even better at Twitter.
さてさて一体何が起ころうとしているのでしょう?
完全に憶測で好き勝手書いてやります笑
●Twitterの総合サイト化
ホーム画面にTwitterが!常に!っていう状態は作りたいんじゃないでしょうか。
特に、モバイルからの利用が増えているだけにスマホの起動に近い画面からTwitterをちらつかせるのは必須。
競合(何となくなネットサーフィンできる空間)であるYahoo!ニュースだったり、Facebookよりも先に動かないと!ヤバい!
ただ、とりあえず画面を占めるだけではうざいだけなので、本来のコミュニケーションが大事にしつつも、ニュースサイトを始めとする情報収集ツールとしての使いやすさを向上させたりも一緒にやったりするんじゃないでしょうか。
その背景として、Sara Haiderさんの離反も気になります。初期からAndroid開発のエンジニアだった方のようで、開発体制に影響があるような書きっぷりです。
●レスポンシブデザインからアダプティブデザインへ
今回の買収に関して、こんな記事を思い出しました。
レスポンシブデザインとは、デスクトップからスマートフォンやタブレットまで、Webのコンテンツをデバイスのスクリーンサイズに最適化して表示する手法です。端末ごとにHTMLを作成するのではなく、一つのHTMLデータをディスプレイの解像度に合わせCSSを切り替えて表示します。
一方、アダプティブデザインではユーザーのコンテキストに合わせて表示する内容を切り替えます。例えば、性別、年齢、職業などのユーザー属性の他に、外出するときは車に乗るのか、バスに乗るのか、電車を使うのか、どこに行くのかというユーザーの行動を分析します。ショッピングの場合は、スーパーに行くのかショッピングモールに行くのか、いつ、誰と何を買いに行くのによってユーザーの行動は異なります。
GPS、カメラ、マイク、温度計、加速度計などのセンサーがユーザーの置かれている環境を感知し、Wifiで渋滞情報、気象情報、SNSなどの情報を取得、データを集積し、またユーザーの行動パターンを学習することで、ユーザーが特定の時間に何の情報を必要としているかを予測します。
Coverの画面切り替えアプリってまさにアダプティブデザインを形にしたようなものですよね。
上ではTwitterの総合サイト化と書きましたが、ただ色んなものがごちゃごちゃしてるというものではありません。
個人に最適化された状態で、必要な情報が必要な状態で収集できる、いや、勝手に集まってくるものになりえます。
Twitterアカウントそれぞれが一貫した情報の固まりとは限りませんが、WEBサイトと同じく傾向はあり、それを統計的・機械的に分析する技術も発達しています。
そのため、140字というコンパクトなサイズ、消化しやすいサイズの情報が適時に入手できる世界というのはかなり楽しみです。
●結局ウェアラブルなものに行き着く?
こういう風に話が進むと、触れざるをえないのがウェアラブル端末。
まずはこの動画を見てください。
Google Glassのコンセプトムービーです。
まず朝起きて壁を見ると、Googleグラスには現在の時刻とその日の予定が表示されます。人が起きて壁を見るというのは時計を探しているのですが、このとき彼が知りたいのは時刻だけではないんですね。今日の予定を同時に見たいと思っている。今は何時なのかという情報と、今日は何時にどこに行くことになっているのかという情報はセットなので、それが一緒に表示されることになります。
次に窓から空を眺めます。転機を確認するためです。するとグラスには天気予報が表示されます。
こういうふうに、Googleグラスはユーザの視線の先にあるものを認識して、そこからインテンションを読み取る。そして、そのときどきに必要な情報を表示してくれるんです。
(ITビジネスの原理より)
またしても引用。ITビジネスの原理。
もうほんとこの本すごいです。
自分自身ここまで引用したくなる本って初めてなので、ぜひ手に取ってください。
自分の欲しい情報を、自分が手間をかけずにデバイスが察してくれる世界。
行き着く先はそこじゃないでしょうか。
ただ、行き着いた結果得られるものは効率化ではなく、効率化によって生まれる余剰を贅沢に使うことで味わえる豊かな時間だと思うのでそこははき違えたくないです。
話を戻すと、形は問わず、どの道ウェアラブル端末だったり、脳みそに埋め込まれるチップ(?)だったり情報がもっと身体に近くなる時代は来るということです。
でも、その過渡期として現状普及しているデバイス(スマホ)がもっと個人に最適化される、アダプティブになることが必要な気がします。
一足飛びには行かないんじゃないか。
なので、FacebookがOculus社を20億円で買収したのも、確実にそういう世界には行くんでしょうけどTwitterの方が現実的な気がします。
(速報:Facebook、VRヘッドセットのOculusを約2000億円で買収。「モバイルに続く明日のプラットフォーム」)
この記事が出たのも2014年3月26日ということでほんと目が離せないおもろい時代ですね。
●TwitterはCoverを買収することでハイコンテキストな情報ツールに生まれ変わり、ウェアラブルへの移行期をリードする
まとめると、僕なりに考えたTwitter社のCover社買収の意義はこれです。
僕が買収した(違)Ringという指輪型ウェアラブル端末もどっちかと言えば過渡期タイプと思うので、7月が楽しみでしょうがないです。
(指輪型ウェアラブルデバイス「Ring」がKickstarterでキャンペーン開始、2014年7月出荷予定)