『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を読んで

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小説を読みました。

内容にも触れてます、お気をつけて。

パラレルワールド系恋愛小説。

電車の時間は大体技術書を読む、読まざるを得ない、読みたい。

ただ、電車の乗り換えの関係で1駅しか乗らない短い時間、寝る前は技術書じゃない本を読む。

前置き

ゴールデンウィークには森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』を読んだ。

{ 先輩: ♂, 後輩: ♀ }の2人の主人公の視点で交互に繰り広げられるこの小説も恋愛調節なのだが、先輩の必死さ、後輩の無邪気さ、舞台である京都の雰囲気、コミカルさ、想像上の視覚の色鮮やかさ、そして何よりも最後に包まれるほっこりとした雰囲気に改めてたまに小説もいいなぁと思った。

はじめて森見登美彦さんのは大学生の頃で『太陽の塔』というお話。

当時ものすごい失恋をして、半年くらい立ち直れなかった気がする、そんな状況で読んだら吹っ切れられたような気がする、そしてこの作者ふられた人に教えてもらった気がする。

どこまでも面倒見がいい。

恋愛とか恋とかのなんかこうきゅっとなる、そういう世界から遠のいていただけに、夜は短しは久々にグッときた。

次なに読もう?

そう思った矢先、Facebookでこの本のリンクをはっている方がいらっしゃったので何となく買ってみた。

最後のページにはこう。

京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな秘密が隠されていてーー。「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘く切ない恋愛小説。彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み直したくなる。

いかにもな感じ。

これ、オチ言ってるやん…秘密知った上で読んだら、読み直すも何もないやん…

そう思いながらページをめくり始めた。

最後の方にはもう大体枕に顔うずめて泣いていた。

最初から読み直すことはないけど、最初から読み直したくなった。

一目惚れした女の子は時間が逆に流れる別世界から来た人。話は互いに20才のときに繰り広げられるが、5年経つと{ 男の子: 25歳, 女の子: 15歳 }になる。

女の子の世界は時間が反対に流れるので、女の子には男の子にとっての未来のことしか記憶にない。だから男の子は明日、昨日のきみとデートする。

女の子はこちらの世界に5年に1度、40日間しか滞在できない。

男の子が女の子に意を決して話しかける日こそが女の子にとってのこちらの世界最後の日になる。

男の子が初めて手を握るとき、初めて呼び捨てにするとき…男の子にとってのその1つ1つは女の子にとっての最後でその度に泣く。男の子は女の子がおき忘れた日付が逆さに進んで行く手帳を見つけ、知ることになる。

ふたりの歴史を壊さないために、別れる日に男の子が女の子に40日間すべてのことを話すことを。

そして女の子はその筋書き通りの行動をとることを。

男の子はそれを「演技」だとして一度は愕然とするものの、お互い思いやりは強く…というお話。

「演技」の奥にある、「演技」をしても守りたいもの。大切な相手を愛おしく思う気持ち。限りあるとわかった上で歩んで行く1日、また1日。

そのどれもが綺麗で切なくて儚くて、中くらいの大人が泣いてしまった…。

恋愛という文脈ではないですが、恋愛という文脈ではないですが、恋愛という文脈ではないですが、最近ルームシェアとかしてるといろいろ感じるんですよ。

ただただそこにいる人が「大切」であるという感覚。

自分が引きこもりたいような気持ちのときとか、イライラしているときとかは当然あってむすっとした感じになっているときはあるけども、そんなときですらなんとなく大丈夫だと思えてしまう強さ。

を勝手ながらもらえる。

シェアは一応2年という契約期間があって、それが気持ちに拍車をかけている面もあるのかもしれない。

それでも大学で東京に出てきて以来の一人暮らしをやめ、人と生活するというのは、人として持っていたい感情に気づかせてもらえた尊い経験のような気がする。

小説の話、文脈に戻ると、「演技」から伝わってくる相手を思いやる気持ちがほんとに胸に響いた。

そういうときは無性に文章を書きたくなる。

思いの象徴としての行動は簡単にとれる。仕事でも何でも、仮に気持ちはなくても、気持ちがあるように態度で示せる。

けど、真意として何を守るための行動かで世界の中でその行動が持つ意味は全然違う。

この文脈でこの記事ほんとに出したくないけど、こういうことでもある。

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思いを見つめながら生きていきたい。

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