2025年1〜3月ふりかえりと2025年4〜6月OKR 〜生成AI時代のプラットフォームエンジニアリングのあり方を探る〜

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四半期ごとの個人OKR振り返りです。

2025年1〜3月は、仕事や学業での不安、焦りを乗り越えて目の前の物事に集中するためにネガティブケイパビリティを獲得することを目標に据えていました。

振り返り対象のOKRは2024年7〜12月ふりかえりと2025年1〜3月OKR 〜ネガティブケイパビリティの獲得〜で設定しています。

OKRの振り返り

Objective 1: ネガティブケイパビリティを体得し、創造的で複雑な複数のタスクに向き合える精神的余白を確保する 【できた】

学業や日々の仕事をこなす中で、集中すべきことを絞れていないこと以外に進捗を妨げる要因があることに気づきました。期限が迫っている、対象のスコープが大きい、不定形である、自分で考える比率が大きいなど、難易度が高く負荷が大きいときにその状況に耐えられずに性急に結論を求めたり、過剰に時間を確保(可処分時間を他に割り当てない)したり、SNSなど常に変化があるものに逃避してしまったりしがちです。目の前のことに集中できず、学業のときには仕事が、仕事のときには学業が頭をよぎり、停滞に拍車がかかります。

その状況を家族にも相談すると、家族が経験した状況に対し、ネガティブケイパビリティという概念が打開する鍵の一つになったことを教えてもらいました。そこで、ネガティブケイパビリティと理解し、涵養するための習慣を身につけることで、人間らしい生活に近づけようと思います。

KR 1: ネガティブケイパビリティの概念を自分なりに整理する 【できた】

まずは概念を理解します。ネガティブケイパビリティが身につくと、自分のどうなるのか、状況はどう改善する(しない)のかを一言で言える状態にします。

✅️ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

ネガティブケイパビリティとは、「答えが出ない宙ぶらりんの状態に耐え、性急な結論を避ける力」であり、身につくと「不確かさの中でも落ち着いて物事に向き合い続けられ、困難な状況に対するしなやかさが増す」と理解しました。

ネガティブケイパビリティは、もともと19世紀イギリスの詩人ジョン・キーツが提唱した概念です。彼は、「性急に事実や理由を求めず、不確かさや未解決(ミステリー)、懐疑の中に留まることができる能力」を指してこの言葉を使いました。

分かりやすく言うと、以下のような力のことです。

  • 「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態」に直面したときに、焦って結論を出そうとしたり、安易な解決策に飛びついたりせず、その宙ぶらりんな状態に耐える力
  • 白黒はっきりつけられない曖昧さや、よく分からないものに対して、そのまま受け止め、持ちこたえる力

自分たちの直面する日々の仕事や、もう少し広い範囲で「現代社会」は効率やスピード、明確な答えを求める傾向が強いですが、ネガティブケイパビリティは、そうした流れにあえて逆らい、「急がない」「わからないままにしておく」ことを肯定する考え方とも言えます。

この力を身につくと、つぎのような変化が期待できそうです。

  • 自身の変化
    • 不確実性への耐性が高まる: 答えがすぐに出ない状況や、見通しが立たない状況に対する不安や焦りが軽減され、落ち着いて向き合えるようになる
    • 性急な判断を避けられる: すぐに結論を出そうとする衝動を抑え、より深く考えたり、多角的な視点を持ったりする余裕が生まれる
    • 思考が深まる・創造性が刺激される: 安易な答えに飛びつかないことで、問題の本質を捉えたり、新しいアイデアが生まれたりする可能性が高まる
    • 共感力が高まる: 自分にとって理解できない他者の言動や感情に対しても、すぐに「おかしい」と断定せず、「そういうこともあるのかもしれない」と受け止める余地が生まれる
  • 改善が期待できること
    • 困難な課題への取り組み方: スコープが大きい、不定形、自分で考える比率が大きいといった課題に対し、焦らず粘り強く向き合えるようになる。「どう進めればいいかわからない」という宙ぶらりんな状態に耐えつつ、試行錯誤を続けられるようになる。
    • 逃避行動の減少: 不安や焦りからSNSなどに逃避するのではなく、目の前の課題に留まる力がつく
    • 集中力の向上: 学業中に仕事のこと、仕事中に学業のことを考えてしまうのは、どちらの状況にも「答えの出ない不安」や「期限に対する焦り」があると考えられる。ネガティブケイパビリティによって、その不安を受け止め、目の前のことに意識を向けやすくなる可能性がある。
    • より本質的な解決へ: 性急な結論を避けることで、その場しのぎではない、より根本的で質の高い解決策や深い理解に到達できる可能性が高まる。
  • 改善しないかもしれないこと
    • スピード解決にはならない: ネガティブケイパビリティは、問題を「早く」解決するための能力ではない。むしろ、結論を保留し、時間をかけることを許容する。そのため、短期的な成果や効率だけを求められる状況では、必ずしも最適なアプローチとは言えない場合もある。
    • すべての問題が解決するわけではない: あくまで「耐える力」「留まる力」であり、この能力自体が直接的に問題を消し去るわけではない。耐えた上で、別の行動や思考が必要になることもある。
    • 期限への対処: 期限が迫っている状況での焦りは、単にネガティブケイパビリティの欠如だけが原因ではないかもしれない。タスク管理や計画性など、他のスキルとの組み合わせも重要になる。

KR 2: ネガティブケイパビリティを涵養する習慣を3つ作る 【できた】

ネガティブケイパビリティを身につけるための行動を習慣化します。仕事・学業で時間を埋め尽くさないことも大事という仮説があり、前回のOKRに関連する書籍も参考になりそうです。

✅️答えを急がない勇気 ネガティブ・ケイパビリティのススメ

  • 80対20の法則系(再)

書籍をストレートにまとめると、つぎの行動が習慣化できるとネガティブケイパビリティの習得にプラスになりそうです。

  1. 意図的に「何もしない時間」を作る: スケジュールに「空白の時間」を設けてみる。目的を持たずに、ただぼーっとしたり、窓の外を眺めたりする。効率や成果から離れ、「ただ存在する」感覚を取り戻すことが、宙ぶらりんな状態への耐性を養う。
  2. 結論を保留する練習をする: 何か問題や問いに直面したとき、すぐに答えを出そうとせず、「一旦保留します」「少し考えさせてください」と言ってみる練習をする。即答できない自分を許容し、考える時間を確保する。
  3. 「わからない」と正直に言う: わからないこと、知らないことを曖昧にせず、「わかりません」「知りません」と口に出すことを恐れないようにする。知ったかぶりをやめることで、不確かさの中に留まる正直さを育む。
  4. 目的のない散歩をする: 「〇〇のために歩く」のではなく、ただ気の向くままに歩いてみる。景色や音、匂いなど五感に意識を向けたり、頭に浮かぶ考えを整理したり、あるいは何も考えなかったり。思考を巡らせつつも結論を急がない時間になる。
  5. 自然の中に身を置く: 公園の木々を眺める、川のせせらぎを聞く、海辺を歩くなど、予測不能でコントロールできない自然に触れる時間を作る。人間の意図を超えた存在に触れることで、思い通りにならない状況を受け入れる感覚が養われる。
  6. 文学や芸術に深く浸る: 小説を読んで登場人物の複雑な心情に寄り添ったり、絵画や音楽を鑑賞して多様な解釈を楽しんだりする。答えが一つではない世界に触れることで、曖昧さや多義性を受け入れる力がつく。特に文学は、他者の不可解な内面を想像する良い訓練になる。
  7. 人の話を最後まで「聞く」練習(傾聴): 相手が話し終えるまで、途中で口を挟んだり、アドバイスしたり、自分の解釈を押し付けたりせず、ただ耳を傾ける。相手の言葉や沈黙の中に存在する「わからなさ」に留まる練習をする。
  8. マインドフルネス(瞑想など)を試す: 呼吸や体の感覚に意識を集中し、「今ここ」で起きていることを判断せずにただ観察する。次々に浮かぶ思考や感情に気づき、それらを追いかけずに手放す練習は、性急な反応を抑える助けになる。
  9. 日記やジャーナリングで内面を書き出す: 頭の中にあるもやもやした感情や思考を、整理しようとせず、そのままノートに書き出してみる。答えを出すためではなく、自分の内面にある複雑さや矛盾を客観的に眺めることが目的。
  10. 多様な価値観を持つ人と対話する: 自分とは異なる意見や考え方を持つ人の話を聞き、すぐに賛成・反対の判断を下さずに、なぜそう考えるのか背景を理解しようと努める。自分にとっての「当たり前」が揺らぐ経験は、安易な二元論から脱却するきっかけになる。

80対20の法則系も改めてふりかえり、ネガティブケイパビリティに関連しそうなことを抽出してみます。

  1. 「成果を生む20%」の活動を定期的に特定する: 週や月の終わりに、自分の仕事や学習内容を振り返り、「どの活動が最も大きな成果や進捗につながったか?」を具体的にリストアップしする。この「重要な20%」を意識することが全ての基本になる。
  2. 時間記録をつけて「浪費の80%」を見つける: 1週間ほど、自分が何にどれだけ時間を使っているかを記録してみる。思った以上に成果に結びつかない活動(だらだらとした情報収集、重要度の低い会議、効果の薄い作業など)に時間を費やしていること(= 浪費の80%)が見えてくる。
  3. 「やらないことリスト」を作成し、守る: 特定した「浪費の80%」にあたる活動や、重要度の低いタスク、気が進まない誘いなどをリスト化する。そして、意識的にこれらの活動に時間やエネルギーを使わないように努める。断る勇気も必要。
  4. 1日の最初に「最重要タスク(20%)」を1〜3個決める: その日の成果に最も大きな影響を与えるであろうタスクを朝一番に特定し、他のことに着手する前に、集中して片付ける習慣をつける。これにより、確実に重要なことを進められる。
  5. 自分の「強み(得意な20%)」を活かすことに集中する: 自分が得意で、かつ高い成果を出せる活動は何かを把握し、その分野に時間とエネルギーを重点的に投入する。苦手なことや成果が出にくいことは、人に任せる、ツールを使う、あるいはやめることを検討する。
  6. マルチタスクをやめ、シングルタスクを徹底する: 特に「重要な20%」のタスクに取り組む際は、他の通知をオフにするなどして、一つのことに深く集中する。集中力を高めることで、短時間で質の高い成果を出すことを目指す。
  7. 自分にとって価値ある「20%の人間関係」を大切にする: 全ての人間関係に均等にエネルギーを注ぐのではなく、自分に良い影響を与え、共にいて幸福感や成長を感じられる少数の人々(家族、親友、メンターなど)との時間を優先し、大切にする。
  8. 情報収集源を「重要な20%」に絞り込む: 無数にある情報の中から、自分の目標達成や知識習得に本当に役立つ書籍、ウェブサイト、ニュースレターなどを厳選する。質の高い情報源に絞り、それ以外は意識的に遮断することで、情報過多を防ぎます。
  9. 完璧主義を手放し、「80点でよし」とする思考を取り入れる: すべてのタスクを100%完璧にこなそうとすると、時間とエネルギーがいくらあっても足りない。重要度の低い80%のタスクについては、「8割程度の完成度で十分」と割り切り、重要な20%に注力するための余力を残す。
  10. 定期的に「重要な20%」を見直す: 目標や状況が変われば、何が「重要な20%」かも変化する。月に一度など定期的に、自分の活動や目標、人間関係などを見直し、現在注力すべき「20%」は何かを再評価し、行動を修正する習慣を持つ。

以上も多少は念頭におきながら1〜3月を過ごしてみて、ネガティブケイパビリティを欲するきっかけになった状況や状況に対する感じ方は改善したように思います。

仕事や学業に向き合う上でプラスになったな、昨年のような集中できない状況を打開できたな、と思うのに直接的につながった気がする習慣をまとめて終わります。

  • 気が済むまでLLMで質問する
    • 特に学業において、浅い理解のまま提出課題に追われたり、定期試験のために丸暗記したり、ただ形式的に成績要件を満たすことに多くの時間を割いていたように思います。この状況は、理解に時間を割くことで大きく改善しました。今学期の授業内容がそこまで難しくないというのはあったかもしれませんが、授業を受ける前に講義資料から内容理解確認問題を作成して予習し、授業を受け、何度か問題を解き直したり、本質的な部分以外でも文法的なところまで含めてサンプルコードの疑問点がなくなるまで質問したりしたことがよい結果につながりました。性急に答えを求めず、かといって合理的な時間枠で答えに近づくことも諦めずというスタンスをLLMという手段で止揚的に解決できたのではないかと捉えています。
  • 週2 -> 3筋トレ
    • 年始から週2回のパーソナルトレーニングに通い始め、今では週3回通っています。集中力や平均的な元気さが昨年末と雲泥の差で、「生物として良好な状態」にあるように思います。往復30分の自転車(有酸素運動)と相まってデジタルな情報から一時的に距離をおけたり、よい時間を過ごせている満足感もあるので、心身の健康に大きな貢献をしていると言えるでしょう。
  • SNSを封じるしくみを導入する
    • PCではSNSからログアウトし、スマホではone secというアプリを利用し、SNSにアクセスをする障壁を設けました。学業や仕事で行き詰まったときのSNSの逃避は、対して得られるものがない割に時間のロスも大きいです。一度見てしまうと長時間滞在してしまう一方で、単にログインを妨害するだけで意外と本来やる作業に戻ってこられることに気づきました。ポモドーロテクニック(作業25分休憩5分)や起床時間の固定と合わせると効果的でした。

仕事や学業の種類が変わると、もとのネガティブケイパビリティや80対20の法則に立ち返って見直した方がよいかもしれません。

ログ

アニメ・映画

  • デジモンアドベンチャー
  • 機動戦士ガンダムZZ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • るろうに剣心 京都動乱
  • Dr.STONE SCIENCE FUTURE(第4期)
  • キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
  • 機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-
  • ゾイド(途中)
    • 機動戦士Gundam GQuuuuuuX(途中)
  • 機動戦士ガンダムユニコーン(途中)
  • 薬屋のひとりごと 第2期(途中)

新規サウナ

アクティビティ

買い物

グルメ

仕事関連

ライブ

新設コーナーです。中2の頃よく聴いていた歌手が精力的に活動していることを知り、年初にライブに行ってみたところ、人生の新たなステージが始まりました。その歌手に限らずライブに通ったり、家サウナをきっかけに音楽を聴く習慣もだいぶ戻ったので、そのうち演奏も再開できるとよいなと思います。

今後の話

今年いっぱいは学業が続くのでどこまで時間が割けるかわかりませんが、劇的に変わりゆくLLMを利用したサービス提供やプロダクト開発をテーマに据えようと思います。また、『人生の経営戦略』という本を読んで個人OKRの大目標となる人生のあり方に対してよいインスピレーションが得られたので、掘り下げます。

Objective 1: LLMを利用した開発に対するプラットフォームエンジニアリングのあり方を検証し、言語化する

LLMを利用した爆速開発は、開発のあり方を大きく変えようとしています。一方で、爆速で開発されたサービスがプロダクションレディーであるためには、土台となる適切な構造(アプリケーションアーキテクチャや拡張可能なインフラ)、組織ルールやベストプラクティスを満たしていることを保証するガードレール、プラットフォームが提供するゴールデンパスへの新たなインターフェース、様々なAIエージェントを提供するための堅牢なインフラなどが必要です。また、ゴールデンパスの構築自体にもうまくLLMを活用し、プラットフォーム提供側の開発スタイルも刷新していくことで、より大きな価値提供が望めます。

日々刻々と変わりゆく具体的なツールへの過度な最適化は避けつつも、具体的なツールに触れ、プラットフォームエンジニアリングのあり方を探ります。

KR 1: LLMのツール群になじむ

以下をそれぞれ1つ以上実践します。より影響が大きそうなものが出てきたら追加します。

  • MCPサーバーの利用
  • MCPサーバーの構築
  • MCP SDKのコードリーディング
  • ADKを利用したLLM Agent構築(A2Aプロトコルの理解)
  • ADKのコードリーディング

KR 2: プラットフォームエンジニアリングでのユースケースのアイディアを出す

以下のユースケースでどようなLLM活用やプラットフォームエンジニアリングによる開発フローサポートがありえるかドキュメントにまとめます。

  • ゴールデンパスのコンポーネント開発
  • LLMによる成果物の妥当性担保
  • ゴールデンパスのインターフェース

KR 3: LLMを利用した開発に対するプラットフォームエンジニアリングのあり方に関する考えをまとめる

できたらZennなどで体外的な記事を書きます。

KR 4: 言語モデルの基礎を理解する

大学院の授業でCS 7650: Natural Language Processingを受講します。現在のLLMの構成要素への部分的な理解を深める足がかりになるでしょう。ただし、授業でLLMを直接的かつ網羅的に扱うわけではありません。最新分野を専門的に追いかけきるのは難しいですが、理論的背景に触れているかどうかで今後登場するであろう概念へのなじみやすさは変わります。卒業に必須でもないので、純粋な興味分野として楽しみたいと思います。事業の主要ドメインにかかわる要素技術の知見拡充という位置づけも持たせます。

Objective 2: 個人OKRのリファクタリング

人生の経営戦略』を踏まえて自分にとってより豊かな人生とは何かを考え、今後の個人OKRの計画やふりかえりに活かします。

KR 1: 人生の経営戦略で取り入れたい観点を整理する

KR 2: 人生の中長期的な方向性を整理する

KR 3: 個人OKRの計画・ふりかえりに中長期的な方向性をどう活かすか考える

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